一般社団法人アットアイランド

東京諸島出身の若者たち中心に「個と和が続く島づくり」に挑む。

利島レポート

新島、式根島と来て、

そのままあぜりあ丸で利島へ。

今回も1泊のスケジュールでした。

しか〜し!

以前からお世話になっていた、

利島村役場で働く荻野さんにどっぷり案内いただいたので、

とても濃い滞在となりました。

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【利島を案内してくださった荻野さん】

 

やはり、

在住で島への想いを持つ方に案内していただくのが1番勉強になります。

良いも悪いも1番感じているはずだからです。

 

利島は東京から南に140km程離れた洋上に浮かぶ、

綺麗な円錐形をした人口約310人の島です。

東京諸島の中で、2番目に本土に近い場所に位置しています。

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【利島の中心に聳える円錐形の宮塚山】

 

まず、何と言っても、椿畑のすごいこと。

全島の約80%がヤブツバキ(椿)で覆われています。

ちょうど椿の実のなる時期でした。

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【丸い実が時期になると、三つに割れて種が現れます】
 
これ、何がすごいかって、
利島は前述のように円錐形の島で、平地はほとんどありません。
その傾斜地に数百年前の江戸時代から、
段々畑をつくり、ヤブツバキを植えて育ててきました。
重機がなく、道路も整備されていない時代に、
これほどの畑を開墾するのは、ものすごい労力です。
しかも、椿は植樹をしてもすぐに実がなるわけではありません。
次世代の幸福のために、必死に汗を流せる。
林業にも共通することですが、尊敬します。
今では、椿油の生産量は全国の6割程を占める基幹産業となっています。
昔の人々の努力が、今の利島の人々の生活を支えているのです。
僕たちも現在(いま)の自分たちのことだけではなく、
これからの人々の生活も想って生活しなければいけないと改めて身に染みます。
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【椿について説明してくださる荻野さん】
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【椿を運搬するために導入されたモノラック。これにGoProつけたら絶対楽しい。】
 
利島は水にあまり恵まれていませんし、厳しい自然環境です。
その中で、三宅島とも共通して神社をとても大切にしている雰囲気でした。
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利島には興味深い神社があり、

一番神様、二番神様、三番神様と呼ばれるものがあります。

最初聞いたときは、神様に順序をつけちゃって大丈夫?と思ったのですが、

利島には正月三が日に行う『山廻り』という文化があり、

その廻る順番ということのようです。

ちなみに、

阿豆佐和気命(あずさわけのみこと)本宮が、一番神様。

大山小山(おやまこやま)神社が二番神様。

下上(おりのぼり)神社が三番神様。

 

さらにちなみに、

利島の阿豆佐和気命は、

三宅島の富賀神社に奉られる事代主命三島大明神)の王子にあたります。

伊豆諸島の神様は色々となところで繋がります。

もっと勉強していきたいです。

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利島は、長い年月をかけて受け継がれてきた、

産業の島という印象でした。

懐かしい坂の多い町並みはいるだけでホッとしました。

 

議員さんや村長さんと酒盛りをする機会もいただいて、

色々な話を聞けました。

これからは東京諸島のそれぞれの個性を活かし、

連携してより良い場所にしていきたいですね。

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By いとーまん(伊藤)