南三陸町へ行って
今回は縁あって、
「東日本大震災以降元気のなくなった日本に笑顔を生み出す」
ことを目的に主にダンスを通して、継続的に活躍されている
「あいうえお」さんの活動に同行させていただきました。
プロダンサー集団に混じった、子犬のように。笑
南三陸町さんさん商店街で行われたパフォーマンスは、
地域の人々に笑顔を与えていました。
ダンスってやっぱり素晴らしいと改めて思いました。
今回、地域の高校生へのダンスワークショップも組まれており、
高校生と少し接点があったのですが、
東日本大震災を経験した高校生たちは底抜けに明るく、礼儀正しかった。
その姿は、2000 年に噴火して4年半の全島避難を経験した三宅島の若者たちと重なる部分があった。
多感な時期に辛い経験をした彼ら彼女らは同様に底抜けに明るく、
人や自然を想う気持ちが強い。
私はダンスに関しては素人なので高校生たちが技術的にどうのこうのはわからないが、
人の話を聞く姿勢や、恥ずかしがらずに全力で取り組む姿勢に可能性を感じた。
吸収する素地を持った彼ら彼女らに、
適切な環境や刺激を与えることは大人の仕事だと思った。
「あいうえお」さんはその手段がダンスである。
現地に住む方に南三陸町を案内していただく機会もいただき、
震災から4年半経過した「今」を一部であっても感じることができた。
沿岸部には盛土と呼ばれる10m級のピラミッドのような土の固まりがいたるところに存在しており、津波に備えてその高さまで土地をあげる準備しているようだ。
道はものすごいスピードで工事が進められており、
地元の方々でも道を把握できていないようだ。
道路が整備されることは喜ばしいことかもしれないが、
その道路の下には、数多くの"思い出"が埋まっているという悲しい面も併せ持っていた。
今回の機会を通して、復興に向かってはそれぞれの”想い”が交錯しており、
一つの方向に進んでいくことが難しい現実を感じた。
どの意見や考えも間違っていないということがポイントだ。
ただ、全体的に飯は美味いし、人は温かいし、景色はきれいだし、
すでに観光地としても楽しめるポテンシャルを有していた。
被災地という観点だけでなく、単純に楽しむこともできる。
今回改めて強く思ったことは、
震災という教訓を持ち帰って、自分の活動エリアで伝えていくこと。
それが僕らにとっては「島」。
未来を担う島の子どもたちや住民が、いざという時に命を守れるように。
今回偶然東北であっただけで、いつどこで災害は起こるかわからない。
他人ごとではない。
防災という固いことを子どもたちに伝えるのは簡単なことではない。
楽しみながら学べる工夫も必要だろう。
時間もかかるだろう。
だからこそ僕らは教育事業を続けていかなければならない。
それが僕らにできる復興だ。
【志津川湾から昇る朝日】
伊藤(いとーまん)